国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間第二回
 岐阜県東部を流れる木曽川にそった国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間はどの道路地図にも国道を示す赤の実線でしっかりと書かれているにも関わらず、実際にはその大部分が車の走行がまったく不可能な事実上の廃道状態でありネット上ではきわめて有名である。
 しかしそのレポートの多くは丸山ダム周辺の一般車も通行可能な区間(とはいえ一車線の断崖が続く道だが)を車でヒヤヒヤしながら通ったもので廃道区間を通り抜けたものは限られており、特に最近のものは少ないようだ。
 今回は廃道区間の前半を紹介する。
 







 先ほどはダートとも思われた路面だが、少し進むとアスファルトが顔を覗かせやはり舗装されていた事がわかる。この辺りの区間は路面上に落ち葉がなく不思議である。


















 さらに200m程進むと、この看板が目に入る。
 
 ゲートの手前にあったものと同じ内容の文章が書かれており、以前はここまで車が入れたのであろうか。しかし笠置ダムからここまでの間、分岐どころか建物の一軒すらなく、ここで唐突に通行止とういうのはかなり謎な状況である。
 
 また通行止め区間の距離が5000mと500m減っており、それだけの距離を進んだ事がわかる。


















 看板のすぐ先には崩落があり、結構な量の土砂が路面を埋めている。
 
 しかしこれはかなり前からの状況らしく、良く踏み固められており徒歩や自転車でならば容易に乗り越えられ大した障害ではない。
 
 よく考えれば通行止の直接の原因はこの崩落なのかもしれない。










 





 路面状態は相変わらずよく、自転車での走行に支障は無い。
 
 こんなガードレールのない断崖の区間も自転車でならば特に感じないが、現役時代の車での走行は緊張の連続であったであろう。



















 しかし、日当たりのよい場所ではこのような藪になっている。
 
 まだ6月初めで藪も育成途中であろうから、一か月ほどあとに訪れれば視界を遮るほどになっているのかも知れない。
 
 白さを保ったガードレールは現在も使われているものと同タイプに見え、ここを車が通らなくなってからの日々はそれほど長くは無い事を思わせる。












 



 この辺りは木曽川へ切れ落ちる断崖を削って無理やりつけたような道で、法面はいかにも落石の危険を感じさせるゴツゴツした岩場になっている。
 
 赤ペンキで書かれた数字や記号はただの落書きとは思えず、おそらく落石の危険個所を示したものであろう。左奥に見える小さな穴は工事に由来するもの(発破をかけるダイナマイト用?)であろうか。





















 これは橋脚であろうか?車道橋を思わせるりっぱなものだ。
 
 現状地図上では木曽川の対岸に道は書かれていないが、かつてはルートがあったのかもしれない。


















 この看板はよく見るダムの放流の危険を知らせるものだが、この断崖を下って木曽川の水面に達するだけでも一苦労だと思われ、水泳遊びどころではないだろう。
 
 また文章をよく読むと笠置ダムから1.5km進んだことが分かる。まだ廃道区間」に入ってから20分ほどでまずまずのペースで進んでいる事が確認できた。
 
 左に見える頭の取れた標識は何だろうか?「おにぎり」一つ立っていないこの区間では貴重な存在だけに残念である。


 












 やはりこの辺りは崩落危険個所であったようで、先ほどの赤ペンキから5分も行かない内にこの場所に達する。
 
 最初の崩落よりも大規模かつ最近のものに見えるが、見ての通り応急手段として工事用の梯子が設置されている。
 
 完全に放棄された廃道にも思えるこの区間だが、何かしらの往来はあり最低限の保守はされているようだ。

 







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