国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間第三回
阜県東部を流れる木曽川にそった国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間はどの道路地図にも国道を示す赤の実線でしっかりと書かれているにも関わらず、実際にはその大部分が車の走行がまったく不可能な事実上の廃道状態でありネット上ではきわめて有名である。
 しかしそのレポートの多くは丸山ダム周辺の一般車も通行可能な区間(とはいえ一車線の断崖が続く道だが)を車でヒヤヒヤしながら通ったもので廃道区間を通り抜けたものは限られており、特に最近のものは少ないようだ。
 今回は廃道区間の後半を紹介する。










 自転車と比較すると、この梯子が結構高いものだとよく分かる。
 もしこの足場を通行止箇所からすべて人力で運んだとすれば、大変な労力を要したことであろう。




















 このササ藪に開けられたトンネルも梯子をかけた人と同じ人物が行った処置であろうか?
 梯子に比べると随分とシンプルな処置だが、人と自転車が通り抜けるのには充分である。


















 木曽川の崖沿いを進む区間はまだまだ続くが、こういったぬかるみエリアも定期的に現れる。
 
 木曽川には小さな沢が山肌から何本も落ちているが、より小さなものは橋もかけられず、暗渠にもならず幅10m程のぬかるみを作り出している。
 
下手をすると靴を濡らしかねないぬかるみはある意味藪よりも厄介な存在だ。


















 時々はこういった新緑と木曽川の川面の組み合わせが美しい所も現れる。
 
 しかしよく見れば藪化した区間よりもよほど元車道、いや現国道には見えない。



















 (丸山)ダムから13.2kmということは笠置ダムからは2.3km進んだということであろう。
 
 通行止区間は5500mということであるからまだ半分以上のこっているということか。
 
 この辺りは藪とぬかるみと、落石でゴツゴツした路面の連続でほとんど自転車に乗車できず、徒歩にも負けるペースになっている。



















 こういった滝(よく見ると砂防ダムから水があふれている?)のある景色はいかにも涼しげだが、ぬかるみの現れるサインでもあるから複雑である。














 



 ぬかるみ区間が終わると、日当たりの良いエリアに入り、図ったように藪地帯となる。
 
 写真では大分困難な感じに見えるが、実際には草木が自転車に絡みつくこともなく意外と楽にバリバリとなぎ倒しながら進むことができた。



















 国道418号通行止区間には、手持ちの地図でみると2本の橋が架けられているがこれはいずれにも該当しないようだ。
 
 橋の名前は残念ながら不明であり、ごらんの通り、コンクリートの上まで草木の侵攻を受けておりいづれは全面的に緑に覆われてしまうのであろうか。


















 地図にない小さな橋を渡り藪を抜けると、久々に自転車に乗車可能な路面状態が続く。
 この辺りは四輪の轍さえ感じられ、通行止区間は終わってしまったのではないかと錯覚するほどである。
 
 ゆるやかに流れる木曽川添いの道は緩い下り勾配になっており普通のダート林道のような感覚で進める。

















 20分程快調に進むと先程よりも立派な感じの橋が架かっているのが見えてくる。
 
 これが地図にある大沢川に架かる橋と見てよいだろう。だとすれば通行止区間も残り1km程のはずである。



















 しばらく乗車可能な路面が続いたが、御覧のように橋の向こうは藪になっておりまだ通行止区間は続いていることがわかる。
 
 緑の中にぽっかりと浮かんだ人工物は、見れば見るほど万世大路を思わせる風景である。



















 この巨大な落石は以前はもっと道の中央にあったとどこかで見たような気がするが、到底人力では動かせそうにないサイズだ。
  
 確かにもしこれが道の真ん中に鎮座していたならそれだけで四輪の通行は不可能になるだろう。




















 法面の補強を観察していると、河川敷にあるような板チョコ型のコンクート補強と荒く積まれた石垣の境目を見つけた。
 
 見事に苔むして風格すら感じさせる石垣と、現代的なコンクリート補強が対照的だが、両者が重ねた年月にはどれくらいの差があるのであろうか。

















 通行止区間も終わりにさしかかった頃、二台の廃車とバイクが道端に放置されている。
 いずれも新しくはないがそう年代物という雰囲気でもなく、ここを通る車も少なくなった時代に放置されたのであろう。右の車のボンネットに乗っている標識らしきものは通行止であろうか。
 このあたりは鬱蒼とした竹林になっており今までとは雰囲気が違う。また割合に人が入った形跡も感じられる。



















 情報によると、建物一つ残っていないがやはりここにはかつて集落があり人々が暮らした歴史があるようだ。
  
 画像の植物は、見るからに誰かが植えたという感じだが、集落が健在な頃から生えているのであろうか。



















 あっ!木曽川になぞの巨大生物発見!では当然ない。
 
 だいぶ前から音だけは聞こえていたが、相当なスピードで水面を駆ける2台のボートの姿を初めてとらえた。いかにも涼しげだが彼らからこちらの姿は見えているのだろうか。


















 妙な落書きのおかげで少々見ずらいが、看板は通行止区間5500mがここから始まると示しており、ついにこの区間も終わるようだ
  
 よく見ると笠置ダムのゲートのすぐ先で草に覆われかけていた看板と全く同じ内容だが「国道418号は」という所でわざわざ改行しているあたりここが現役国道だと主張しているかのようにも感じられる。 


















 二本目の名馬居川に架かる橋の向こうには、工事用のフェンスが見えており完全に車が入らない区間の終わりを告げている。
 しかしこの先も容易に四輪で訪れられる区間ではなく、有名な例の標識までも大分距離はありそうだ。
 
 この先は木曽川本流に架かる吊り橋「五月橋」を目指し前進を続ける。










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