日本縦断東日本編19日目【平成15年10月24日】 稚内YH(北海道稚内市)⇒宗谷岬(北海道稚内市)

  今日はここから40kmほど先の「日本最北端」宗谷岬へ行き、その途中にある稚内空港まで戻り1445発の便で羽田へ帰る予定になっている。

 しかしシーズンオフのせいか、この稚内YHの客は僅かでしかも長期滞在の工事関係者ばかりなようだ。

  朝食の時間になったので食堂へ行ってみたが、オーナーはどこかへ出かけているようで誰もおらず、目玉焼きと味噌汁が用意されていた。

  仕方なく食べ始めると、おじさんが一人冷蔵庫の物を取りに入ってきた。話によるとおじさんは行商の仕事をしていて、普段は車の中で寝泊まりしているがそろそろ時期的に厳しくなる。との事だった。

 また千葉の出身らしく、浦安に家族がいて近いうちに帰らなくてはいけない。とも話していた。俺が今日は宗谷岬へ行くと言うと、おじさんは「ハマトンの方へ行くのか」と言った。恐らく浜頓別のことだと思うが、地元の人はそう略すのだろう。

  予報によると今日の天気は、どうも不安定なようで[西風が強く一時的に強い雨も降る」との事だ。

  準備を済ませ外に出ると幸いまだ降ってはいなかった。朝の稚内の市街地を抜けると、いよいよ最北の国道238号に入る。



すぐ先で「網走319km」の青看板を見つけ少し嬉しかった。それだけ途中に大きな街が無いという事なのだろうが、200km台の物は結構あっても300km以上は珍しい。

  やがて国道はオホーツク海沿いに進むようになり辺りの景色も最果の雰囲気が強くなってきた。


 強烈な追い風に扇られながら、最北へ向け海沿いの道をひたすら進む。帰りは当然向かい風になるのだが、今その事は考えないことにする。

  939、ついに宗谷岬に到着。今まで目指してきたゴールだが、どういうわけか特別に感動的ではなかった。今までの過程が大事なのだろう。

 誰もがするようにモニュメントの後ろに立って、オホーツク海を眺めたが、水平線は厚い雲に覆われサハリンを望む事は出来ない。

  近くにいたおじさんに写真を撮ってもらおうと声を掛けると、突然雨が降り出し、風も一層強くなった。

  何とか写真は撮ってもらえたが、おじさんはすぐに走って車へと逃げ込んだ。普段なら延々とモニュメントの前を占領する観光バスの客もこの天気では、誰も外に出ようとはしないようだ。

 
 さて、これから空港まで戻らなくてはならないが、この状況ではとても行きのように快走することは出来そうに無い。飛行機の時間まではまだ充分あるが、カッパを着て約20km先の稚内空港へ向け、直ぐに出発する。

  電光掲示板は気温6℃ 風速15mを示している。さらに時々小粒の雹が体に当たるという全く自転車には向かない状況だ。

 なんとかサドルに股がっても100mと乗ることはできず、押したり乗ったりを繰り返す。途中休む所も無く、気合で進みなんとか1240、稚内空港に到着。

 この天気ではちゃんと飛行機が飛んでいるか心配だったが、ここではこんな状況は日常なのか何事もなかった。

  さて、これで東日本縦断は終りだが近日中に「日本本土最南端」西大山駅、終着駅枕崎、そして自転車では行けないらしい佐多岬へ向けて旅を始めるつもりだ。初日箱根を越えられるだろうか…。  

本日の走行距離31.12km 走行時間1.54.45 平均速度16.2km 最高速度33.9km自宅からの走行距離1922.24km以上(推定)すべて宗谷岬まで