日本縦断東日本編2日目【平成14年10月14日】ビジネスホテル近江屋(千葉県銚子市)⇒ 阿字ヶ浦駅(茨城県ひたちなか市)

  さて、今日は日没までには自転車を分解して列車に乗りたいが、どこまで行けるだろうか。利根川を渡って茨城県に入り、海岸沿いに北上する事は決めているがいまいち距離がつかめない。 しかし鹿島神宮より先は鉄道が併走しているので、まあ何とかなるだろう。

 せっかく銚子に来たのだから犬吠埼へは寄っておきたいと思う。700過ぎに宿を出て海沿いの道を行く。
  やはり先日の台風の影響は残っていて、相当に海は荒れている。犬吠埼の灯台下にある遊歩道は途中で完全に寸断され通行止になっており、通れる区間も時々高波に洗われスリル満点だ。

 

 洋風駅舎の前に昔の電車が置かれている犬吠駅から、キャベツ畑の中を線路沿いに行く。銚子電鉄は旧型車両こそ姿を消したものの、途中の笠上黒生(かさかみくろはえ)駅や本銚子駅には古びた木造駅舎が残りローカルな雰囲気は充分だ。

  醤油工場の間を走り、銚子の市街地に戻る。利根川の河口に架る銚子大橋は千葉県と茨城県を結ぶ長大な橋だが、路肩がほとんど無く、自転車向きではない。ほとんど景色を見る余裕も無く一気に駆け抜け、茨城県に入る。

 ここ、鹿島郡波崎町は 銚子市街と川を挟んで向っているのだが、かなりローカルな雰囲気だ。これから走る県道もあまり路面状態は良くない。
  海岸沿いの松林の中をひたすら進むが、なかなか景色が変わらない。途中には風力発電の巨大な風車があり常に風の強い地帯なようだ。今日は追い風なので良いが向かい風なら辛いだろう。

  しばらく走ると、ようやく鹿島のコンビナート群が近づいてきた。このまま海岸沿いに直進したい所だが、鹿島港は深く切れ込んだ形になっており市街地を経由しない事には先には進めない。

 

 鹿島臨海鉄道の貨物線を渡った所で進路を西に変え、国道124号に入る。この辺りは実は昨日昼飯を食べた東庄町とかなり近いのだが、雰囲気はずいぶん違う。
  JR鹿島線と三セク鹿島臨海鉄道の事実上の接続駅、鹿島神宮駅は付近に新しい家も多く観光客よりも、地元の利用者が多そうな駅だ。ここからは鹿島臨海鉄道沿いに北上する。

  次の鹿島サッカースタジアム駅は、JR東日本の駅なのに停車するのはすべて鹿島臨海鉄道の列車という変わった所だ。まあ鹿島神宮⇔鹿島サッカースタジアム間は電化されていないので当然なのだが。今日は試合は行われておらずサッカー場以外には何も無いこの駅はシャッターが下ろされ、静まりかえっていた。

  この辺りの国道51号は防風林と、いも畑が続く中を走っていて2桁国道とはいっても交通量も少ない。「元」日本一名前が長い駅「長者ヶ浜潮騒はまなす公園駅」の由来になった公園も、気にしていなければ通り過ぎてしまう様な所にある。

  バブルのころに別荘地が多数売り出された大洋村に入ると、水戸へ通勤する人もいるのか、民家も増えてきた。この辺りには海水浴場が点在しており、シーズンには賑わうのだろうが今は静かだ。

 

 小さな丘を越えて国道から離れると、大洗の市街地に入る。きれいに整備され、岸辺を散策できる大洗港には苫小牧行のフェリーが出航を待っていた。
  海岸沿いの景色の良い県道を走り、那珂川に架る橋を渡るとひたちなか市に入る。茨城交通湊線、那珂湊駅はすぐ近くで久しぶりに見慣れた景色に接する事ができた。

  様々な旧型気動車が停車している那珂湊駅構内はいつ見ても楽しい。しかし既に夕暮れも迫っているので湊線の終点、阿字ヶ浦駅へ向け出発する。
  台風の影響はまだ残っていて、車窓から見えないのが残念な美しい磯辺が続くこの辺りの海岸にも、高い波が打ち寄せている。

 

 平屋の木造駅舎が残る終点、阿字ヶ浦駅にはに到着した。ホームには独特のアイドリング音を響かせる旧型気動車が停車していたが、発車まで10分ほどしかない。
 今から自転車を分解してもとても間に合わないので焦らずに発車を見送った後、次のレールバスタイプの新車に乗り勝田でフレッシュひたちに乗り換え帰宅した。

 本日の走行距離 約100km 走行時間 約10h