日本縦断東日本編3日目【平成15年1月8日】阿字ヶ浦駅(茨城県ひたちなか市)⇒奈部屋旅館(福島県いわき市)

 今回は2日間で、前回中断した阿字ヶ浦駅から太平洋沿いに北上して行ける所まで行こうと思う。どの辺りまでかは予想しずらいが、常磐線がずっと併走しているので何とかなるだろう。

  勝田駅の湊線用切り欠きホームで発車を待っていたのは、前回と同じレールバスタイプの新車だった。俺としては旧型車両で無いのが残念だが、一般の乗客は窓が小さく薄暗い非冷房車よりもロングシートの新車の方が当然良いことだろう。しかも最近増備されたようで、旧型気動車の出番は今後大幅に少なくなりそうだ。
  高校がある那珂湊と殿山で多くの乗客を下ろした列車は定刻通り終点の阿字ヶ浦駅に到着した。早速自転車を組み立て、出発する。



 駅を出てすぐに、両側に民宿が並ぶ坂道を下り砂浜が続く海岸に出る。真冬の阿字ヶ浦海岸には人影はなく寒々しい太平洋が広がっている。
  しばらく行き、砂浜が尽きると常陸那珂港の建設が行われていた。反対側には広大な「国営ひたち海浜公園」があり、間を通る県道は非常に立派だが通る車は少ない。
  防風林の松林の中を走り、東海村に入ると海側に原発関係の施設が連続する。丁度出勤の時間なようで、道は職員の車で混雑している。
  久慈川を渡り、日立市に入ると今度は日立製作所関係の工場が多数見受けられる。国道245号線と併走する日立電鉄は、もと地下鉄の中古車両が使われており駅はこじんまりとした所が多い。

  この辺りは地図で見ると平坦な海岸線が続いている様な感じがするが、実際には結構アップダウンがある。日立駅の先で、ようやく国道6号に合流する。
 自宅から10分とかからない所を通っている国道6号をよくここまで避けてきたと思う。道はやがて海沿いになり、高萩市に入る。
  国道側には面していない高萩駅には、数多くの側線があり堂々とした木造駅舎が建っている。

  名前通り茨城県の北端に位置する北茨城市に入るとさすがに周りの風景もローカルな雰囲気になる。この辺りは地図で見ると平坦な海岸線が続いているように見えるが、実際には結構アップダウンがある。]

  港からは少し距離がある大津港駅の先に福島県との県境がある。有名な勿来関跡へも行ってみたい所だが、急坂を登った山の上にあるようなので今回は諦めた。
  この先、常磐線はかつて常磐炭鉱があった影響で一度内陸に入るが、俺は小名浜を経由する海沿いの道を行く。

 

 小名浜港は漁港として有名だが、実は化学工場が立ち並ぶ重工業地帯でもある。常磐線の泉駅と結ぶ福島臨海鉄道と併走する道は、幅も広く立派だがほとんど人の気配が無く、少々不気味だ。

  工場地帯を抜けるとようやく漁港に出る。道沿いには最近出来た「アクアマリンふくしま」や、お土産センターもあり活気が感じられた。
  予定では、このまま海沿いに進み、塩谷岬を経由して四倉市街まで行こうと考えていたがどういう訳か、山側を通るやけに登りのきつい県道に入ってしまった。
  大きなゴルフ場が見えてくると道は下りになり、常磐線の線路と併走する国道6号に出た。既に夕暮れが迫っており、今日は5kmほど先の四倉で泊まる事にした。

 

 電話帳を見て、適当に選んだ「奈部屋旅館」は訪れると、女将に「前にも来た事があるでしょう」と言われた。もちろんそんな訳はないが、どうも以前自転車の人が泊まったらしい。
  電話をしてすぐだったので、部屋の暖房が入っておらず寒い思いをしたが風呂は広く気分がよかった。

本日の走行距離約90km 走行時間約8h