日本縦断西日本編15日目【平成16年5月12日】バーデンハウス北九州健康センター(北九州市小倉北区)⇒中津駅(大分県中津市)
昨日の天気予報は見事に当たり、起きると外は滝の様な雨が降っている。しかし昼過ぎには止むようなのでそれまで待つのが普通だろうなのが、なにせ今日中に家まで帰らなくてはならないのでそういう訳にもいかず、朝風呂を浴び「北九州健康センター」を後にする。
幸い、出発する頃には雨は多少収まったがこれから当分は交通量の多い市街地が続き、我慢の走りを強いられる。しかし逆に考えられば昨日のような、見所が多い日に降られるよりずっと良いとも言えるかもしれない。
北九州市と行橋市の境はバイパスのような歩道の無い道が続き、スピードは出るが気が抜けない。行橋市に入ってからはバイパスから離れ、日豊本線沿いのメインルートではない方の国道10号を走ったが今度は路面状態の良くない狭い道で快適では無い。
この辺りから、ようやく郊外に出た感じで九州らしい駅名の新田原(しんでんばる)駅や椎田駅は平屋の小さめの駅だ。
相変わらず雨は降り続いているが、空はだんだん明るくなってきていてどうやら止んでくれそうだ。何だか千葉の自宅の近くを走っているような景色が終り、山が遠くに見えてくると、次の豊前松江(ぶせんしょうえ)駅に到着した。
この駅は古びた感じの横板張りと、貫禄のある駅名の看板がレトロな雰囲気を作りだしているが老朽駅舎という感じではなく利用者は多そうだ。
ここから、国道10号は日豊本線と離れ市街地を避けるバイパスのような道になる。今まで走ってきた国道10号とバイパスの国道10号が合流する地点に九州に入って初めての道の駅「豊前おこしかけ」があった。
九州・沖縄の「道の駅」では北海道と同じようにスタンプラリーを行っているようで、スタンプ帳が入手できたのでこれから集める事にする。
しかしこのスタンプラリーは、最低でも九州の全「道の駅」を踏破しなければ賞はもらえず、しかももらえるのは認定証とステッカーだけらしい。
少し腹が減ったので実演販売のまんじゅうを食べ、休憩していると雨が上がり青空が見えてきたので早速カッパを脱ぎ出発する。
田園風景の中をしばらく進み、近いうちに市町村合併によって消えてしまう新吉富村に入ると道の駅「しんよしとみ」に到着した。
ここは建ったばかりのようで真新しく、物産販売所も賑わっていたが野良猫が住み着いているようで盛んにまとわり付いてきた。この先、国道を左折して北へ向かえば中津の市街地はすぐなのだが三年前に廃止された中津競馬場の跡地を確認するため、再び国道を直進する。
この辺りは福岡と大分の県境地帯で民家も少なく、ようやく旅らしい気分になった。川を渡ると大分県中津市だが、「大分県」の標識と中津市のカントリーサインが離れた所にあって面白い。
10分ほどでかつて競馬場と隣接していた大貞公園へ向かう県道との交差点に到達し、桜並木の道をしばらく進むと、いつか見た風景が広がった。
バス停は当時のまま「中津競馬場前」を名乗っていたが、駐車場の向こうにあったはずの入場門とスタンドは跡形も無く、パドックやコースの痕跡すら残されていない。
何か残っていないかと、辺りを探してみたが見つかったのは厩舎団地の門だけで「平成九年四月一日より開催日の一般者の厩舎団地内への立ち入りを禁じます」という看板が悲しい。
4年前、競馬場が健在だったころに中津競馬場を訪れた時は帰りにタクシーを利用し、運転手から「全国の競馬場を廻っている人をよく乗せる」という話を聞きながら駅まで結構時間がかかった様な気がしたが、住宅地の中を快走すると15分ほどで中津駅に着いてしまった。
まだ1400過ぎで走る時間は充分にあり、特急停車駅で終りにするとしても柳ヶ浦か宇佐までは行けそうだが、最終の新幹線で帰ると家に着くのは100近くになってしまい、アクシデントも怖いので今回は中津駅で終りにして帰る事にする。
ここ中津は福沢諭吉の出身地で駅の売店では壱万円札風デザインのビスケットが沢山売られていた。みどりの窓口で柏までの乗車券と特急券を購入したが、ここから東京まで列車で帰る人はほとんどいない事だろう。
しかし時間的には前回の益田よりも短時間で帰ることが可能で、山陰地方の不便さがわかる。列車の時間が近づいたのでホームに上がると、青ラインの入った415系の普通列車が入線した。小さく赤いJRマークが入っている以外は見慣れた常磐線にいるのとそっくりだ。
ソニック36号博多行は時刻通りに到着した。何度見ても奇抜な車内デザインだが、ドアや座席の角などには塗装の剥がれた所も見受けられる。こういう車両は出来たばかりの時はいいが、年数が経ってからのメンテナンスが難しい所だろう。
列車はあっという間に小倉駅に到着。次ののぞみまでは5分乗り換えで荷物がなければ走って間に合うだろうが、無理をする必要もない。
1640発のぞみ28号の自由席は空いていた。山陽新幹線の小倉⇔新山口間は初めて乗る区間で、久しぶりにJR線の未乗区間が減った。約85%まではすぐに達したJR線完乗だが最近は列車だけの旅に出ることもなくほとんど進んでいない。
列車は山陽新幹線内を最高時速300kmで快走し完全に日が暮れる前に新大阪に到着したが、そこから先が結構長く感じた。
本日の走行距離63.70km 走行時間6.20.24 平均速度10.0km 最高時速37.6km 自宅からの走行距離1600.89km以上(推定)