日本縦断西日本編6日目【平成16年2月2日】関ヶ原駅〈岐阜県不破郡関ヶ原町〉⇒サウナグリーンプラザ〈京都府京都市山科区〉
ムーンライトながらは名古屋を発車すると、東京、横浜からの客はほとんど降りてしまった。
俺の近くでも残っているのは、いかにも大垣まで行きそうな時刻表を広げた兄ちゃんとイビキをかいて寝ていた男二人組だけだ。
しかし、こんなに良くこの列車で眠れたのは初めてかもしれない。
そのおかげで体調はなかなか良いがそれとは対照的に窓の外は雨模様で、しかも予報によれば今日は一日中雨だという。
大垣で乗り換えた網干行きの115系は、かつて良く乗った頃とは違い転換式シートに改造されていた。
しかし、走りは元のままでまるでディーゼルカーのようなガタガタした発車ぶりだ。俺も以前とは違って、二つ目の関ヶ原駅で降りることになっている。通学客で賑わう関ヶ原駅は半月前とは違い、雪は日陰に少しある程度だ。
今雨は止んでいるがまた降り出すのは避けられない空模様だ、手早くローレル号を組み立て完全に雨装備をして800に京都、三条大橋を目指して出発。
国道に出る前に駅の近くある古戦場に寄ってみた。今は冬枯れの水田だが広々としていてなかなかの雰囲気だ。
ここで雨が降り出た。結構強い雨だが、今日は念入りに防水しているのでなんとかなるだろう。
国道21号を走り最初の駅、柏原は滋賀県に入って少し登った所にあった。しかし今日は雨こそ降っているものの風は追い風でペダルは軽くさほど苦労せずにたどり着けた。
921、近江長岡駅着国道からだいぶ離れた所にあったが、線路沿いに進む道があったので分かり易かった。
途中、伊吹山をバックにした有名な鉄道撮影スポットを通ったが、こんな天気では良い写真は撮れないだろう。
近江長岡駅は駅舎こそ改築されコンクリート製になっているが落ち着いた、いい雰囲気のある所だ。
その後断続的に降る雨の中、米原町に入り物産館を併設した醒井駅に940に到着すると国道21号はその先で国道8号と合流する。
このあたりは、鉄道と同じく道路も交通の要衝で交通量が多く走りにくい道だ。
米原駅の近くで道路工事をしている箇所があったが大抵は邪魔物扱いされる交通整理の兄ちゃんに「お気をつけて」といわれ少し気分がよかった。しかしそのせいか道を間違えてしまい北陸本線の坂田駅近くまで行ってしまった。
しかし結果的に俺の好きな寝台特急電車改造の419系がちょうど発車するところで、駅と一緒に撮影することが出来たので、まあ良しとしよう。
米原駅に向けて北陸本線の線路沿いに道を戻ると、駅の裏口の方に着いてしまった。しかし、なんとあの広大な米原駅の構内を横断する地下道(歩行者自転車用)があり、表口へと回ることができた。
1025に到着した在来線の米原駅の駅舎は写真で見た昔のものよりも遥かに小さくなっていて中には売店すらない。
ここから彦根までは国道8号を走った。歩道はなく、路肩も狭い道だったが途中の近江鉄道鳥居本駅は1931年築という教会風の駅舎があって興味深かった。
その先には、原寸大の金閣寺と謎の佐和山城、五重塔、仏像、茶室などが多数放置され「御自由にお入りください」と看板がでている「佐和山遊園」という施設があった。ここはとにかく異様な雰囲気で、小心物な俺は立ち入ることはもちろん写真を撮る気にもなれなかった。
後で調べたところ、ここはおじいさんが今でも一人で新しい建物を作り続けているそうでますます怖いというもの。
橋上駅の彦根駅には1126に到着した。 ここで昼食にして駅の近くの彦根城へ向い、\500を払って見学。
1622年築という国宝指定の天守閣は、外見は最近化粧直しされたようで真新しいような感じすらしたが内部の柱や壁は歴史を感じさせる。
この時点ですでに1300近くになっていて、このままでは京都に着けるか怪しくなってきた。
そこで考えていた安土城や栗東トレセンの見学は諦め、信号の少なそうな琵琶湖沿いの県道を行くことにする。
この県道の交通量は少なく、全くと言っていいほど信号がなくて、とても走りやすかった。しかし景色は変化に乏しく、相変わらず雨が降り続ける中での走りは精神的に辛い。
そんな道を3時間近くほとんどノンストップで走りようやく大津市に入る。 久しぶりに国道1号を走り、1657に石山駅に到着した頃にはやっと雨が上がったが、すでに日が暮れかけていた。
このあたりの住民はほとんど関西弁で会話していて、京都が近いことを感じさせた。
日が暮れた道を慎重に走り、大津駅には1742に到着。大津駅は県庁所在地の駅の中では全国でも地味な方だが駅は大きく、帰宅するサラリーマン達で混雑している。
この辺りで、ブレーキがほとんど効かなくなってしまった。もともとブレーキシューが減っていたところに、一日中雨の中走ったためだろう。
パーツを買えそうな店も見つからないので今日は、京都の入り口にある山科で泊まることにした。
和歌にも詠まれる逢坂山の峠をヒヤヒヤしながら慎重に下り、1816についに京都府に入る。
泊まる予定の「サウナグリーンプラザ山科店」は国道1号沿いの解りやすい所にあったが、まず先にブレーキの修理をすることにする。
近くのファミリーマートの駐車場で、前後のブレーキシューを換えたりしてなんとか30分位で少しは効くようにすることができた。
その後サウナの食事は高いので外で夕食にすることにして、隣にあった「良心亭」という中華料理店に入った。
チャーハンを焼き飯と呼ぶところが関西らしい店だったが俺は「スタミナ丼」(\600)を食べた。これは玉子丼に牛肉が少し入ったものだったが、ボリュームもあってうまかった。
2000過ぎにサウナに入店した。ここは、割引無しだと深夜割増料金込で (\3500)もして高い所だが、ビルの三階から五階までを使っていてなかなか広く仮眠室にはB寝台位のサイズのベッドがあって寝るのには快適だ。
明日は三条大橋を通って京都駅まで行き山陰地方を目指す予定だが、テレビの予報によるとどうも天気は良さそうで安心した。
本日の走行距離115.27km平均速度10.7km 走行時間10.40.24 自宅からの走行距離621.69km以上(推定)