国道303号旧道(樫原トンネル〜新北山トンネル区間)前編  


 国道303号は岐阜県岐阜市と福井県若狭町を結ぶ路線であるが、途中には岐阜⇔滋賀県境の八草峠区間を始め、幾つもの旧道区間が存在する。

 今回はそのなかでも旧久瀬村から揖斐川町にかかる区間の旧道を紹介する。

 樫原トンネル

 岐阜県揖斐川町の国道303号には前書きにもあるように、多くの旧道があるが、このレポートは旧久瀬村区間にある樫原トンネル旧道からスタートする。

 この樫原トンネルは1981年竣工 全長650mとあり、この先のトンネル達はいずれも同時期のものである。
 
  旧道は1.5車線程ながらも整備された路面が続き、特に通行の支障になるようなものはない。

 前方に見える橋は下の谷橋、昭和36年1月竣工とあった。

 この先で旧道は一旦現道の下をくぐるが、両者は接していない。
 やがて前方上方にトンネルを抜けた現道が見えてくる。

 この日は雪解けの時期ということか、ダムの水位は非常に高く満開の桜の枝が水面に着きそうなほどだ。

 そしてその前方には隧道が。

 ブレた写真しかなくてスイマセン。

 神山隧道滋賀側坑口

 シンプルな造りで、土被りの少なそうな感じだ。

 神山隧道

 しかし扁額は黒御影石製の立派なもの。

 昭和27年竣工とあって左書きになっている。

 左の縦書きの文字は拡大しても解らなかった。

 100m程の隧道の内部はコンクリートで覆われていて特筆する事も無いが、現役隧道ということで状態は良い。

 岐阜側も同じような造りだが、左側に木製電柱が立てかけられていおり、右の制限標識の下の文字が「熊注意」なのが面白い。

 そんな山深い雰囲気でもない場所なのであるが。
 旧道は久瀬ダムの先で現道と合流する。

 振り返って対岸に見えるのは先ほど見た樫原トンネルではなく次の名倉トンネルで、S字型に蛇行する揖斐川をトレースして進む旧道に対して現道は2本の鉄橋とトンネルでそのS字を串刺しにした直線ルートを実現している。
  
 現道を2km程進むと、次の久瀬トンネル。

 全長2000m以上ありこの区間では最長の隧道である。
 坑口にはレリーフが施されているが、これは後年の補修によるものと思われる。また、銘盤に1190mという表示もあるようで、これは単なる誤記とは思えず興味深い。

旧道側の道も広くそれなりの通行がありそうだ。


 揖斐峡 

 と思ったが、やはり旧道は旧道で、川沿いに1.5車線程度の道が続いている。

 法面の補強もそれなりで、荒々しい岩肌が剥き出しになている所もあるが、現役の道路ということで舗装だけは新しい。


 この辺りの揖斐川は大きく西側に蛇行しており、それに忠実にそって進む旧道に対する久瀬トンネルの短縮効果は大きい。

 この赤い橋を渡ると県道254号藤橋池田町線方面で、揖斐川の対岸を国道と平行して岐阜市方面へ進んでいる。
 
  再び現道に合流し、1km程進むと今日のメーンイベント?新北山トンネル旧道にさしかかる。

 この旧道、途中でどこかへ分岐しているようなことは無いが、1km程先に「揖斐峡ガーデン」なる店があり今までの旧道と同じく今も整備されている。
 入口には通行止めの表示もあったが、今日は工事も行われていないようである。

 しかし道路の改良自体は進んでいるようで、法面の補強が行われている様子が窺える。

 しかし旧来の練り石積みの擁壁をそのままコンクリートで塗り固めていくという工法はやはり旧道といったところなのであろうか。
 この道が今も整備されている理由として、この辺りの揖斐川が「揖斐峡」なる景勝地扱いをされていることもありそうだ。

 幾つものダムが連続する揖斐川の流れは穏やかで川幅も広く渓谷といった感じではないが、紅葉の時期などはなかなか絵になる風景なのであろう。

 北山隧道 そして

 これが、件の「揖斐峡ガーデン」である。(別の日に撮影)  

 あゆ料理などののぼりが見えるように、基本はレストランのようであるが、このような旧道添いの目立たない場所にありながら今も営業を続けているというのは結構すごい事だと思う。

 しかし、店の入り口付近に良く吠える犬がおり、正面から写真を撮れなかった。

 犬嫌いの人には少し厳しいかもしれない。
 現道との合流地点の手前に「北山隧道」がある。

 「全国隧道リスト」によると昭和41年竣工となっているが扁額は左書で「道隧山北」となっているのが不思議だ。

 筒を斜めにカットしたような坑口はシンプルな造りだが、要石風の装飾がワンポイントになっている。

 昭和27年竣工とされている先ほどの神山隧道とくらべても特に新しさは感じられず、本当はもっと古いようである。
 50m程の隧道を抜けて岐阜側へ。

 道路情報の看板や、通行規制の表示など色々取り付けれれているが、それはここがヘキサからも解るように「岐阜県道271号揖斐峡公園線」に指定されているからであろう。

 ちなみにこの県道この旧道区間だけのミニ路線であるが、どういう訳か全区間というわけではなく岐阜側1km程のみが県道に指定されているようだ。

 …というワケにはいかないよね。
  
 やっぱり気になるのは滋賀側坑口脇のこの道。

 一見して旧旧道といった雰囲気だが、結構な荒れようである。

 はたしてその先の風景は?
 



 
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