神大滝林道(滋賀県⇔三重県) 後編 



三重県鈴鹿郡関町と滋賀県甲賀市に跨る東海道の難所、鈴鹿峠。それと並行して県境を通過する神大滝林道、現行版の道路地図にも林道ながら名前入りでしっかりと記載されているが、旧版のツーリングマップルには「大自然の厳しさをその身をもって知る」との記述があったという、曰く付きの林道である。
 ただ、国道1号からのアプローチは当然良く、荒廃した区間も長くは無いようなのだがしかし…。
 2009年8月中旬の非常に暑い日にここを訪れた。(2011年に何度か再訪したのでその様子も併せて紹介します。)

 峠へ

 目指す峠はもう間もなく。

 道の荒れ具合は加速度的に増しているが、バイクのものと思われる轍は存在する。
 上の写真ににも写っているが、所々にある金属板は側溝の蓋で、バイクによる通行の助けになっているようだが元々ここにあったた物なのかは不明である。
   時は変わって2011年11月の様子。

 土嚢と例の側溝の蓋で補修がなされているが、工事というにはあまりに簡易で、この辺りの場所が公式に管理されているのかは不明である。
洗堀の進んだ道の先が、峠か。

 果たしてその風景とは。

 ここが、坂下峠。

 切り通しというには余りにも広大な空間。

 しかしながら四輪の通過は不可能というこの場所。

 もともとこのようなカタチで道が開通した訳は無く、長年の崩落と洗掘によって切り通しが巨大化したのであろう。
 再び時は変わって2011年6月

 後方の風景から見て上の写真とほぼ同じ場所だと思われるが、雰囲気が大分違う。

 僅か2年でこの変化…。
 
 この峠は現在進行形でその姿を変えているようである。
 
 

 坂下峠 その変化

 2011年11月の三重側から見た様子。

 これだけを見ると、採石場か何かの風景のようだがきっかけは人為的とはいえ、その先は自然に崩れてできたこの地形である。

 


 
上と同じ日の峠を上部の登山道から見た様子。

 なかなかに歩きずらい溝道も、離れて見ればちゃんとした道筋に見えるのが不思議である。
 、坂下峠は鈴鹿県境縦走路の余野公園〜鈴鹿峠の間の貴重なエスケープポイントで、登山者にも有名な場所である。

 鈴鹿の登山道のなかでは特にマイナー系というわけではないが、公共共通機関の無いこのあたり(鈴鹿峠〜亀山のバス廃止)では、縦走には置き車が欲しい所であり、人に会うことは多くない。

  
 林道ツーリングであれば、到達地点であるこの坂下峠も登山者には、林道歩きが終わってのスタート地点及びゴール地点といえる。

 自分も、この画像といずれとも違う日の夕暮れに登山道から坂下峠に到達した時は「助かった」と思ったものでえある。(その後の関までの歩きも相当きつかったが…)

 三重側 

 余談は終わりにして、峠から先の様子を。

 上の写真から2年経った状況だが、コンクリートの基礎が剥き出しになっており、洗堀の進み具合が分かる。

 今はまだ歩きや自転車であれば特に問題無いが、このまま状況が悪化すればそれも楽ではなくなるだろう。
 すぐ先にある、工事用足場で道幅の拡張が行われている地点。

 四輪での通過の為に設置されたものだと思われるが、現状を知る限り(2011年秋)では…。
   上の画像の二年後。

 足場は錆びながらもなんとか健在だが、もはやこの状況ではバイクの通過さえ楽ではないであろう。
  滋賀側と同じく、未舗装区間は200m程で終了しこの先は普通の舗装林道になる。

 滋賀側は結構な荒れ具合だった滋賀側の舗装末端区間とは違い、三重側は交通皆無ながらもしっかり整備されている。

 しかしながら、時折見かけるこのゴム板は、自転車にとっては危険でフルスピードで突っ込めばスリップしかねない。

 未舗装路なら砂利の流失防止の意味がありそうだが、このような舗装路にある意味はなんなのであろうか。
 
 林道は、平行して流れる鈴鹿川と共に国道1号を目指し下る。

 周囲は手入れの生き届いた植林地で林業関係者の往来は結構ありそうだ。
 

 国道へ

 自然に還りつつある軽トラ。

 結構な年代物のようである。
 合流地点手前にある砂防ダム。

 この日は水がたっぷりだが、11月に訪れた時は殆ど乾いていた。
 そして、ガッチリと閉まったゲートへ。

 不法投棄防止の為でろうが、このゲートはいつ来ても閉まっており、先には監視カメラ設置(本当?)という看板もある。


   

 ゲートの先がすぐに国道1号という訳では無く、上下線が分離された国道を繋ぐ道を経てのゴールとなる。

 このあたりの分岐はややこしく、車で来るなら要注意であろう。