中央線旧線高蔵寺〜多治見の廃隧道群2

  中央西線高蔵寺〜多治見間には昭和41年の複線電化による線路切り替えによって、中央線開通時の煉瓦隧道が放棄され、13か所が現存している。(1か所は旧線の営業中に開削されたという)
 そのほとんどが、今から約110年前の明治33年の中央本線開通時の姿を留めており貴重なものである。名古屋からわずかな時間で訪れることが可能なこの遺構群を何回かに分けて撮影した。今回は古虎渓駅先の10号トンネルからまで最後の14号トンネルまでをを紹介する。

  

 10号、11号トンネル
       10号トンネル




名古屋側





 古虎渓の駅の先、旧線は現在線が諏訪トンネルに入ってから程なくして10号トンネルに入ります。
 真冬でも藪が酷く、全景をきれいに撮影するのは困難です。
 
長さはそれ程でもなく、ライト無しでも大丈夫です。














多治見側



 こちら側も藪が酷く、夏場には接近するのも困難そうです。
 しかしながら煉瓦ポータルの状態は良く、草木を刈り取れば見事な抗口が姿を現すことでしょう。
 
 とはいえ古虎渓側からのアクセスには問題があり実現は困難そうです。








 








         11号トンネル



名古屋側



 10号トンネルから籔の中をしばらく行くと11号トンネルに到達します。
 しっかりとした煉瓦ポータルですが、全体的に白化しているのが気になる所です。
 ここは結構長い上にカーブしていて出口が見えず、やや緊張します。


















多治見側


 こちら側は日当たりの関係か、全体的にくすんだ感じになっています。
 この先多治見方面へ踏み跡は続いていますが、抜けることはできませんでした。


12号トンネル




名古屋側



先ほどの11号トンネルの続きですが、こちらからアクセスすることは出来ませんでした。
 コンクリート擁壁によって山側の壁柱が飲み込まれていますが、きれいな状態を保っています。帯石の部分に装飾が見られます。




















 ここの見どころは何といってもサイドの丸穴でしょう。
 中まで貫通している訳ではなく、しかし単なる装飾とも思えません。























多治見側



 一般的には12号トンネルにはこちらからアクセスすることになるでしょう。
 「月見センター」の構内にあり、埋められた上に残った部分もコンクリートで覆われています。
 
 この横から名古屋側抗口への道が続いています。














 





さて、内部はどのようになっているかというと当然ながら閉塞しています。
 入ってほんの30m程の所で閉塞していることから、この真上が先ほど見た多治見側の抗口という訳ではないようです。


13号、14号トンネル



       13号トンネル




多治見側



 画像でもわかる通り、13〜14号トンネルの区間は整備され車も通れるような路面状態になっています。
 しかしこれは、トンネルを見学するための遊歩道化という訳ではないようです。


















 上の画像は多治見側の抗口ですが、さて名古屋側はというと先ほどの月見センターから先の区間は地形が改変され、地中に埋もれ現存しないようです。
 
入口から50m程で閉塞ということになりますが、なにかパイプ状のものが見えており、またパイプのあるスペースは上部が空間になっており地上まで貫通しているのかもしれません。

















        14号トンネル


名古屋側



 定期的に手が入っている13〜14号トンネルの区間ですが、前途の通り13号トンネルの閉塞で唐突に終わっており、トンネル保存が主目的の整備では無いように思います。
 
 閉塞地点のパイプにはバルブが取り付けられており、その保守管理関係の整備かとも思われますが、それにしては大袈裟な気もします。

 14号トンネルも竣工当時の重厚な姿を保っていますが、内部は片側の路面が人為的的なものか大きく掘られており歩く時は注意が必要です。












多治見側





一連の廃隧道群の中で最も多治見側に位置する、14号トンネル多治見側抗口ですが、市街地に比較的近くアクセスしやすい為かしっかりと塞がれています。