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その正体はというと、トイレというよりも便所。
思い切り道に面していて唐突な印象だが、ここにある理由は除々に解るようになる。 |
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「便所」の100m程先には「いさまつ」と呼ばれるその筋の間では有名な廃屋がある。
戸は一応閉じられているが、特に固定されている訳でもなく、ちょっとお邪魔させていただく。 |
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ここは、正面からみると平屋だが斜面に沿って建てられており、奥は2階建のようになっている。
室内には雑多なものが残されており、かつては茶屋の類だったようだ。 |
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この新聞を始め、雑誌、年賀状など平成8年頃のものが多く残されているが、どうにもそんな最近まで営業していたとは思えない。
だれか廃業後にここで暮したのであろうか。
テーブルの上にはカセットコンロとやかんがありそんな想像を裏付ける。 |
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この「表彰状」の日付は昭和56年で、そのころは確実にここも営業していたのであろう。
かつては、このような店が成り立つほどの人がこの地を訪れたのならば先ほどの公衆便所も理解できるというもの。
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窓の外には美しい新緑を映す木曽川と目指す五月橋が。
かつてはここを航行する遊覧船が存在したようで、その船着場もここにあり、「いさまつ」の客も船からあの五月橋を間近で眺めたのであろう。
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