国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間
 阜県東部を流れる木曽川にそった国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間はどの道路地図にも国道を示す赤の実線でしっかりと書かれているにも関わらず、実際にはその大部分が車の走行がまったく不可能な事実上の廃道状態でありネット上ではきわめて有名である。
 
 しかしそのレポートの多くは丸山ダム周辺の一般車も通行可能な区間(とはいえ一車線の断崖が続く道だが)を車でヒヤヒヤしながら通ったもので廃道区間を通り抜けたものは限られており、特に最近のものは少ないようだ。


 2008年6月1日





 現在の状況は不明だが国道418号通行不能区間の踏破を目指し、スタート地点の中央線武並駅に降り立った、名古屋からは普通列車でも一時間足らずの距離だが周りを山に囲まれ思いのほか遠くへ来た感じがする。









 








 ここから笠置ダムまでは直線距離にして5km程だが山を避け北側に大きく迂回している為、実際には倍近くの距離を要する事になる。

 のどかな風景が広がる中進んでいくと、青看が目に入るが当然というべきが行き先には今日の目的地丸山ダムのある八百津町は書かれておらず、藤という集落が示されている。

 看板の下部が曲がっているのは大きなトラックか何かがぶつけた跡であろうか、まさかその車がダム方面へ進んだとは思えないがこの辺りは418号も2車線の立派な道である。














 と思ったら八百津までの距離が表示された青看がすぐに現れた、検証はしていないがこの41kmという距離は迂回路を使った場合の距離であろう。

 418号を直進すればもっと短いはずである。距離的には…。

















 コネタを2点。左 話には聞いていたが、初めて見たこの細かい標識。
8%ではいけない理由も理解できないが、道の勾配は常に一定では無い筈で、これは前後何メートルの区間を示しているのであろうか。
 
 右 100円は確かにおとくだが、ライフガードはどこに…。















 そうこうしている内に、418号は小さな峠を越え、いよいよ笠置ダムに近づく。
 
 今までの2車線の快適な道はあっという間に細くなり1.5車線の心細い道に変わる。
 ここから笠置ダムの間の区間で2台の車とすれ違ったが、もしこちらも車であればそれなりの苦労があったであろう。


















 このまるで鉄道橋のような完全一車線の武並橋を渡ると、八百津町の丸山ダムまで続く木曽川添いの道になる。
 
 深いエメラルドグリーンの水面は全く動きがないようにも見え、ダムが近いことを感じさせる。橋の上は道が細いとの看板が見えるが、実際にはその前後の区間も充分な細さである。














 丸山ダム側に立つ有名な標識程のインパクトはないが、これも418号の行き先が×になっている。しかしこの先には当然笠置ダムがありその前に集落もある。
 

 地図上で見ると右へ曲がれば確かに八百津方面へ行けるようだが、相当な迂回である。

















 そして、いよいよ通行止めを予告する看板が現れるが、タイトルは通行止となっているものの、本文中では「車両通行禁止」となっている。
 
 現状では通ろうにも車での通過は不可能だと思われるが、自転車でもダメということであろうか。でも徒歩なら可?
 
 ちなみに地図をみるとよくわかるが、実際の迂回距離はこのような台形ではなくアップダウンのある道を418号を下辺とすると凸型に3倍近く走らされそうな雰囲気である。















 ここから最奥の集落そして笠置ダムまでの区間、国道418号は完全な一車線の道となり、普通車同士のすれ違いも不可能な道が続くが通る車はそれなりにあるようで、しっかりと整備されている。
 
 画像の看板は昔のなんだかファミコンゲームのような感じだ。ちなみに同じデザインで車バージョンも見かけた。











 そしていよいよダムが見えてくる。


 
 笠置ダムは木曽川を堰き止める戦前に建設された発電専用ダムで、土木学会の「日本の近代土木遺産〜現存する重要な土木構造物2000選 」に選定されているという。パッと見それほど古い感じはしないが、現在は関西電力が管理しているようだ。



















 笠置ダムを過ぎると国道418号はその使命を終えたかのように、すぐに通行止め区間に入る。
 ゴチャゴチャした感じの封鎖だが、手前のガードレールは意外に脇がしっかりしていてオフロードバイクでの突破は難しそうだ。実際この先の区間で最近のものと思われるバイクの轍を見ることはなかった。
















 通行止め区間に入っても、しばらくは藪もなく自転車に乗車可能な区間が続く。路面は土が積もっていて一見ダートのような雰囲気だがアスファルトの舗装が下にに隠れている可能性もあるだろう。
 
 ようやくダムから解放された木曽川の本流の川面が、初夏の日差しに照らされ美しく目の前に広がる廃道風景と対照的である









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