国道135号 
新宇佐美トンネル〜御石ヶ沢トンネル区間旧道
 
第二回
(静岡県)
 



  国道135号は静岡県下田市と神奈川県小田原市を結ぶ国道だが、伊豆半島東側と首都圏を結ぶ主要道として改良が繰り返され、途中にはいくつもの旧道区間が存在する模様である。

 今回は、伊東市北部に位置する新宇佐美トンネル〜御石ヶ沢トンネル区間を探索する。


 海の廃道2

 宇佐美隧道を抜けて熱海側を望む。

 断崖絶壁と相模湾の絶景に目が行きがちだが、路肩の外側の現行型でない支柱の四角いガードレールにも注目だ。

 宇佐美隧道側を振り返って。

 この画像を見ると、さらに隧道の旧道(現道から見れば旧旧道)があってもおかしくない雰囲気にも見えるが、そのようなものは発見できなかった。

 
 新宇佐美トンネルは1993年の竣工ということで、この道の旧道化からは15年以上の月日が流れているはずだが、この辺りの舗装やガードレールの状態は比較的新しいものにも見える。

 
   熱海側へ進むと、路面状態も悪化し植物の侵略も盛んになる。

 今はこの冬枯れの景色だが、夏に訪れれば、廃道、海 緑のコントラストの美しい景色が楽しめそうだ。

 一旦現道へ

 宇佐美隧道から200m程。

 そろそろ現道との合流点も近いか。

 このセンターラインの状態は、2コマ前とは明らかに違う15年物にふさわしい感じであり、伊東側から宇佐美隧道を抜けた少し先までは旧道化後もメンテナンスが行われていたのであろう。
 隧道から300m程で、現道との合流点が見えてくる。
 
 擁壁の落書きが目につくが、現状ではこの場所へ車を乗り入れることは出来ない筈だ。

 先に見えるのは御石ヶ沢トンネルである。
 熱海側から旧道入口を振り返って。

 現道とはガードレールで物理的に切り離されている。

  
 熱海側へ進み、昭和49年竣工の御石ヶ沢トンネル旧道入り口へ。

 こちら側は旧道化から約40年ということで、かなりの「熟成」が期待できるか。

 

 再び廃道 

 年月を経ているだけのことはあり、入り口付近に不法投棄の物品が散乱しているなど道は荒れている。

 ただ、比較的新しそうな電柱があり電気の通り道としては現役か。
  現道の喧騒から離れると旧道は再び海沿いになり、路面状態もやや良化する。

 先に見えるのは…。
  僅かに残るセンターラインと、落石と植物の侵略を受ける路面。

 海と赤錆びたガードレール、そして装飾の施された洞門。
 
 この場所はかなりメジャーなのであるが、実に絵になる風景だ。

 さてこの洞門。

 この先の国道沿いにある現役の「曽我浦片四号 五号隧道」が土木学会選奨土木遺産に認定されていることもあり、形状としては洞門だが、片一号隧道と呼ぶこととする。

 

 片隧道シリーズ


 ちなみに片四号、五号隧道は昭和14年の竣工ということなのでこの片一号は同時期か少し前の竣工だと思われる。

 内部はセンターラインが敷かれて2車線の形をしているが、入り口に書かれた「危険」「徐行」が示す通り幅はギリギリで、大型バスも通りそうなこの区間、かつての往来には苦労があったことであろう。
 洞内に放置された自転車。

 ちなみにこの近くにはもう一台自転車が、ありそちらはフレームだけだが、MTB風である。
 すぐ先には片二号隧道が。

 路面は荒れているが、とりあえず通行に問題はなさそうだ。

 電線も相変わらず続いている。
    片二号隧道内部。

 コンクリートが剥がれ露出した鉄筋と落書きの跡が目につくが、最近のものではさなそうだ。

 それよりも隧道の先の様子が不穏である。

 この先は片三号隧道がある筈なのだが、その姿は確認できない。

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