国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間 2011(第一回) 



 岐阜県東部を流れる木曽川にそった国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間はどの道路地図にも国道を示す赤の実線でしっかりと書かれているにも関わらず、実際にはその大部分が車の走行がまったく不可能な事実上の廃道状態でありネット上ではきわめて有名である。
 
 2008年5月に一度ここを訪れレポートしているが、最近の詳しい状況は不明であり、丸山ダム近くの二股トンネル付近で崩落が発生しているという情報もあり、近況が気になる所である。

 出発

 さて、表題の通り3年ぶりに国道418号笠置ダム〜丸山ダム区間へ挑むのであるが、前回と同じく武並駅を起点とした自転車での突撃となる。

 国道19号をアンダーパスして418に入ると早速変化あり。

 行き先が飯地と貼り替えられられているが、これは本来八百津となっていた筈である。
 この場所は写真も残っており、以前上には八百津41qと書かれていた。

 418経由で八百津へ行けないのは以前からのことで、旧来書かれていた41qというのも迂回路経由の距離であり、まぎらわしいので消したという所だと思うが、どうか。

 小さな峠を越え、木曽川本流に架かる武並橋が近づくと、道は細くなる。

 標識にはこの先大型車通行不能とあるが、この時点で既に困難そうである。
 ようやくといった感じで、武並橋へ。

 1967年竣工の武並橋。

 完全1車線の鉄道橋のようなシルエットが印象的だ。

 最近塗り直されたらしく赤色が鮮やかである。

 岐阜県内ではお馴染み?の落石注意の看板だが、消された部分には「これより〜km」と書かれていたと思われ、別の場所から移設した際に消したと思われる。

 武並橋

 武並橋を渡った所で出迎えてくれるこの青看。

 現地では特に変わったようにも感じられなかったが、帰宅後に見比べれてみると、新しいものに取り換えられていたようだ。(左下が2008年)

 色が違うのは別として間違え探しのような変化だが、もっとも目立つのは、行き先から「八百津」が消えていることだがこれは今まで見てきた通りである。

 
 さて、これから向かうのは当然×で示された418方面であり写真でみると、下の木曽川と平行に進む道の方である。

 2枚の看板には色々と書かれているが、とりあえずこの先が通行止めとは書かれていない。

 この先4q大型車通行止め。

 このまま国道418号を進めば、大型車に限らず通行止めなのは既に周知の事実であるが。

 しかし地図を良く見れば、4q先は笠置ダムの通行止め地点よりも先のようで、そこまでは大型車が入れさらにその先も普通車なら通れた時代に設置されたものであろうか。
  
 上の写真をみると、そのまま笠置ダムまで川岸の道が続くようにも思えるが、実際には平場に立派な造りの民家が数軒建つ集落を経由しており、そこまでは道も比較的整備されている。

 笠置ダム 

 最奥の集落を過ぎると、国道は再び崖を削って付けたような狭い道に変わる。

 理由が示されていない「この先行止まり」。

 2コマ前の大型車通行止の写真にも奥に通行不能の表示も見えるが、それ程しつこく通れない旨を知らせる掲示がある訳でもなく、やはり国道418号が通れないのは既に周知の事実だという所か。

 程なくして笠置ダムへ到達。

 古びた感じの案内図であるが、気になるには「この道路500m先通行止め」の文字。

 この先にある筈のゲートまでは僅かな距離であり、現在の状態になる以前に作成されたようだ。
 ダム脇に建つ蔦の絡んだ建物。

 場所的に発電所関連のものとも思われ、高いフェンスと鉄条網で厳重に封鎖されているが、フェンスに取り付けられた看板は、マークが示す通り駐車禁止である。

 ここへ車を止めるのは、酷道マニアかはたまたダムマニアか。
 笠置ダムは木曽川を堰き止める戦前に建設された発電専用ダムで、土木学会の「日本の近代土木遺産〜現存する重要な土木構造物2000選 」に選定されているという
 案内図の通り、関西電力によって管理されているがこの辺りは中部電力エリアなので意外な感じもする。

 すこし調べてみると、この辺りの木曽川本流のダムはすべて関西電力の管理になっているようであり、歴史的経緯が気になる所だ。

 
  ダムから100mも行かない内に見覚えのある通行止地点。
 
 車を入れないということだけであれば、中のガードレール一本だけで事足りそうであるが、前後に置かれた雑多なもの達が威圧感を増している。
   2008年の様子。

 基本的に変わっておらず、3年間で風化が進んだだけのようだ。

 ここから約15q先の丸山ダム側の通行止地点は観光地と言っても差支えない程に訪れる車も多いのだが、この場所はひっそりとしている。

 通行止

 さて…。

 通行止区間に入ると迎えてくれるこの風景。

 川沿いに国道のラインがどこまでも続いている。

 前回(2008年)は青空と涼しげな木曽川の流れが印象的だったが、今日は季節こそほぼ同じながら空模様が振るわない。

 それ程険しい場所は無いと思うが、あまり降られると気分も滅入るというもの。

  
 アスファルトが植物に侵略されつつある路面を10分程進むとこの地点。

 これは車輌通行止の標識。

 ルールにしたがえば、2輪以下は通って良い事になるが、手前に(2コマ前参照)に「通行止」が設置されているので、喜んではいけない。

 しかし、4輪はダメで2輪は可…いつ頃の時代のものなのだろうか。

 
 その脇には、しっかり2輪も含めた通行止の表示がある。

 この先5500mは通行不可とあり、ここが通行止の起点であった時代が一定期間あるようだ。(いままで出てきた大型車通行止や案内図の500m先もこの地点を指していると思われる)

 しかし、ここから道が分岐しているわけでも、何かある訳でもなくなぜここで通行止だったのかは不明である。
 通行止めを過ぎても特に状況に変化は無く、アスファルトの路面は続いている。

 ここまでは2008年との変化は少なかったが、この先はいかに。

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