国道135号 
新宇佐美トンネル〜御石ヶ沢トンネル区間旧道
 
第一回
(静岡県)
 



  国道135号は静岡県下田市と神奈川県小田原市を結ぶ国道だが、伊豆半島東側と首都圏を結ぶ主要道として改良が繰り返され、途中にはいくつもの旧道区間が存在する模様である。

 今回は、伊東市北部に位置する新宇佐美トンネル〜御石ヶ沢トンネル区間を探索する。


 伊東市街

 今回の探索は静岡県伊東市中心部から始まる。

 夏には海水浴場になる穏やかな海岸線はこれから始まる険しい峠道のイメージとは異なるが、先に目をやれば既にどっしりとしたその姿を見せている。

 関東で育った方なら4126や海底温泉のCMソングが頭に浮かぶハトヤホテル。このサンハトヤも系列である。

 風光明媚な海岸線の道はすぐに終了し、国道135号は宇佐美峠への登りにかかる。

この辺りは伊東から熱海、東京方面へ抜けるメインルートで狭い道幅ながら交通量は多い。
 
 海岸線を離れてから1km程で、半島を直線的に貫く延長710mの新宇佐美トンネルへ到達。

 それなりの長さのこのトンネルであるが、見ての通り土かぶりは少なく、市街地のバイパストンネルのような雰囲気もある。

 ここは当然右の旧道へGO。
 
 

 旧道

 釣り具、釣り餌等の看板がある通り、旧道は現在でも往来があるようで、路面状態もそれ程悪くない。

 カーブの先に見えるのがその釣り餌店であろう。

 
 崖に突き出すように建っている釣り餌店は、旧道の現役時代のドライブインがルーツのようで駐車スペースも広く、眺めも良さそうである。

 さて旧道であるが、今だ通行止めの標識等は無くそれなりの路面状態で先へとすすんでいる。
 と思ったが、カーブの先で通行止めに。

 しかしゲートは車一車線分のスペースで開口しており問題無く先へ進む。

  
 あれ、舗装が新しい。

 恐らく車では抜けられないと思われるこの先だが、何故かアスファルトで舗装し直され、ご丁寧にセンターラインまで引かれているが、さすがにこれは不要なのではないだろうが。

 宇佐美隧道 

 100m程行くと、目的の宇佐美隧道が登場。

 簡易ながらゲートがあり、ここで車は本当に通行止めとなる。

 左の建物は自動車整備工場のようである。

  例のセンターラインだが、ゲートの先まで引かれているのが何とも。

 
  宇佐美隧道 大正14年竣工。延長114.3m

 右書の立派な扁額が誇らしげである。

 煉瓦、石造からコンクリートへの端境期に掘られた隧道であり、ある程度の補修は受けているようであるが、うっすらとアーチ状の意匠が見て取れる。
  それを裏付ける昭和52年の銘盤

 竣工年等を示す御影石の銘盤は珍しいものでもないが、このようなそれ程大がかりとも思えない工事にこのような立派なものは不似合いな感じもする。(しかも熱海側にも同一の銘盤あり)

 さすがに内部まではセンターラインは引かれていないが、普通車が離合可能な幅員5.0mは当時としては結構な大型隧道だったようだ。

 前述の通り、薄くコンクリートの吹き付けがなされているが 中央部にはコンクリートブロック?石材?の模様が露出している。

 海の廃道

 洞内は完全に直線で両側から日差しが差し込み、ライト無しでも通行に不安は感じない。

 熱海側の出口が見えてきたが、昔の国道らしくすぐに急カーブとなっているようだ。

 熱海側坑口。
 
 坑口の造りは伊東側とほぼ同一だが、こちら側は車の往来も無く、廃道然とした雰囲気である。
 先に目をやればこの絶景。

 日本に廃道ほ数あれど、その多くは山岳地帯にあり、このような海の眺めが得られる場所は稀な例であろう。

 現道への合流地点はそれ程遠くは無いはずだが、行く手に見えるにはまぎれもない廃道風景。

 この先の状況やいかに。

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