静岡県道288号(佐久間ダム側1) |
出発 |
電子国土WEBシステム利用。表示されない場合はブロックを解除してください。スクロール、拡大縮小もできます。 前回の夏焼側探索から約8か月後の2009年3月15日、早朝の飯田線で前回降りた大嵐駅の6駅手前の中部天竜駅に降り立った。 今年中の閉館が決定している佐久間レールパークのある駅で、今日はちょうど開館日(基本的に土日祝のみ)だがまだ開館時間になっておらず今日は長丁場が予想されることもあり、閉館時間の1600までに戻ってこれるかは未知数だ。 直線距離ならあっという間にも思える佐久間ダムへの道程だが、結構な高低差があり九十九折れ状の道をしばらく登る事になる。 飯田線の接続待ちで時間を持て余しがちな中部天竜駅だが、徒歩でのダム見学は厳しそうだ。 やがて道はいかにもダム近辺を思わせる大口径の素掘りトンネルが連続する道となる。かつてはダム建設の大型ダンプが列をなしたであろう大きなトンネルもいまでは通る車も稀な状況だ。 さてこの画像は少々見づらいが展望台への隧道内分岐があり、反対側には駐車スペースということか、かなり広くなっている。 50mほどのこれも素掘りの分岐を抜けた先の展望台からの眺めはというと、眼前に佐久間ダムの巨大な築堤が広がり、ダムマニアには堪らない眺めであろうが、自分はというとむしろ崖の中腹に見える幾つもの建造物のほうが気になった。 ちなみに上部に見える小さいほうのトンネルは、この先進むと同じようにある分岐の出口で(閉鎖扱い)工事用の設備を転用した?展望台なのだが、その下の縦長で巨大なトンネルや、さらにその下の手すりのついたテラス状の場所はどこからどう繋がっているのか見当もつかない。 |
A地点 ダムへ |
この日はちょうど桜の開花前で、この看板の通り奇妙な音声が辺りに流れていた。 しかし、その音量はおもちゃの怪獣などという感じではない巨大なもので静かな谷中に響き渡っている。自分でも通行止め区間へと向かう者への警告音だと一瞬思ったほどである。 さて、ようやくたどり着いた佐久間側通行止め地点である。夏焼側と同じようにしっかりとしたゲートに各種の標識、看板が取り付けられているが、その先はきれいな舗装路が続いており今も利用されていることが伺える。 ちなみに左側の青地の標識はこの先18km道幅減少及び落石危険のため 大型車及びバス通行止めといった事が書かれておりまだここが現役だった頃に立てられた模様である。 ゲートの先だが道幅は1車線ながらも良く整備されたが続いており、自転車での走行には全く支障がない。 先ほどの標識にもあったようにここから夏焼集落まで約18km、前回到達した大崩落地点まででも15km程はあると思われ、徒歩での往復は時間的、体力的にもキツそうだ。 さてこの謎の「トマソン」的建造物だがよくある落石覆いの類ではなく上部の流水をダムに流すためのものらしい。 やがて道はダートに変わるが、相変わらず路面状態は良好だ。落石が所々散らばっていて一見荒れた様にも見えるが、むしろ自転車にとっては厚くバラストが撒かれた道よりも遥かグリップが良く走りやすい。 完全1車線でガードレールも無い道はどこかのダート林道のようだが、おそらくこの県道が夏焼側まで通り抜け可能だったころから全く姿を変えていないように思える。 |
C地点 |
崖下を見ると、時期的なものかダムの水位は前回よりも大分低いようだ。 日曜日だというのに何かの作業をしている船も見えるが、あれに乗ってこの先にあるらしい飯田線旧線の遺構の探索ができたらどんなに楽しいだろうと思った。 法面に架けられた謎の梯子だが、どうやら送電線の保守ルートに関するもののようだ。とはいってもこの梯子の先に道があるわけでもなく彼らの行動力は想像を超えるものがある。 そういった用途でもこの県道は現役なのであろう。 廃道には付き物のナンバーの無い廃車体だが、やけに新しくゲート閉鎖前に持ち込まれたとは考えにくいことと、岐阜県の林道関係の会社の名前か書かれたままな事(電話番号まで…)を考えると単なる不法投棄ではないようにも思える。 対岸の県道1号には、長短合わせて幾つもの隧道があるがこの県道288号には、大嵐 夏焼間の飯田線由来のものを除けば隧道は無いようだが、この狭い切り通しなどは惜しい所ではある。 この辺りはよく手入れされた杉の植林地になっていて、平日ならば林業関係の車両の通行もあるのかもしれない。折しも花粉症シーズンだがいつもは目のかゆみやくしゃみに悩まされる自分も、こんな花粉が大量発生していそうな場所だというのに特に症状も出ない。 どうも単純に花粉の量が多ければ症状が悪化するという訳ではないようだ。 |
F〜H地点 |
今日は素晴らしい晴天だが、前日に結構な雨が降ったこともあり沢の水は多いようだ。ここは暗渠が詰まってしまったのか路面上を豪快に水が流れている。 しかし見た目ほど通りづらくもなく、自転車にのったまま通過すれば足を濡らすことも無い。 石垣がある道=非常に古い道という訳ではないそうだが、これはどうにもかなり昔(少なくとも一つ前のコマにあるようなコンクリート暗渠などが整備される前)からあるように見える。 上部の細いパイプから出ている水は冷たくて飲めそうだ。今日は飲み水が多量に欲しくなるような気候ではないが夏なら重宝しそうだ。 ゲートを通過してから約50分後最初の橋、山室橋にさしかかる。 昭和33年11月竣工とあるこの橋梁だが、コンクリートの路面や低い欄干は周囲の風景を含めて当時のままの姿を留めているようだ。 約10分後、一転して新しい通行止めの標識とチェーンゲートが設置できるようなポールが現れる。 どうやら整備の行きとどいた区間も終わりのようだが、4輪の轍はまだ続いている。 |
I〜L地点 |
この辺りは現行型のガードレールが設置されていることと、日当たりの関係か下草が繁茂していた跡があることの両方がこの県道288号通行止め区間のなかでは、珍しい。 相変わらず轍は続いているが明らかに整備が行きとどいておらず、廃道化も時間の問題か。 案の定、先ほどの場所から5分も行かないうちに大小の落石が散乱する廃道へと変わる。 とりあえず、一旦自転車は置き先の区間を偵察する。 一コマ前にも少し写っているが巨大な落石が道全体を覆っていて、自転車以外の車両は完全終了となる。 無理をすれば自転車を担いで行けそうな気もするが、この先路面状態が回復するとは思えないので出発から約1時間後、徒歩での往復を決断した。 空身なら特に難しい場所という訳ではなく、一応山側を通る事を心掛けここを通過する。 この先も大小の崩落が連続する事が予測されるが、無事にあの大崩落地点までたどり着けるのであろうか。本番はこれからだ。 大小の落石がゴロゴロする廃道は、杉の植林地の中を進んでいる。車両通行不能になった県道288号だが、林業関係者の往来はありそうだ。 錆びついた旧来からの標識は100m先に幅員2.0m規制ありを示しているが荒廃した現状ではどこが該当するのかは不明である。 佐久間側2へ |